2020年8月8日土曜日

重複の読み方

重複の読み方は「 じゅうふく」か「ちょうふく」かという記事が結構あるが、辞書から言えばどちらも正しい読み方だ。

しかし、Webにある解説記事見ると度々「本来は「ちょうふく」が正しいです」という記述を見る。それはそうなんだが昔の話を持ち出して「本来は~」というと切りがない。国語学者じゃないのだから「あたらしい」ではなく「あらたしい」が本来正しいですと言われても、へーそうなんだという豆知識程度の話だ。

「本来は~」と歴史を語っているのに一体いつ頃から「じゅうふく」と読まれるようになったかというと詳しい説明をしている記事がない。僕がどこかで見た話だと江戸時代には「じゅうふく」と読まれるようになって明治だったか昭和初期には辞書に載ったらしい。つまり100年以上前から辞書に載っている正しい読み方だ。しかし、ちゃんと書いてる記事が見つからない。

そして「じゅうふく」と読んでいる人の割合は7~8割という話だったのでなぜいまさら間違った読み方ですと広める必要があるのだろう?と思ってたら、この草の根の矯正運動が功を奏したようでマイナビニュースの記事によると一気に「ちょうふく」が多数派に戻ってきている。

今回の調査では「ちょうふく」と読む方が60.3%、「じゅうふく」と読む方が39.7%という結果になりました。10年程前に行われた文化庁の「平成15年度・国語に関する世論調査」では、重複の読みを調べたところ、「ちょうふく」と読む方が20.0%、「じゅうふく」と読む方が76.1%でした。

 ただ、僕としては「じゅうふく」のほうを押したい。というのも「重」を「ちょう」と読むのは貴重とか重宝とか大切なものという意味で使われる場合だ。それに対して「じゅう」は二重、重箱、重音など重ねるという意味でよく使われる。重複は明らかに重ねるの意味だから「じゅう」と読むほうが規則性がある。

と思ってたらこういう記事もある

「重」には「重なる」の他に「重い」という意味があり、前者の意味を持った熟語は「ちょう」、後者の意味を持った熟語は「じゅう」と読ませるものが多いです。

例えば「ちょう」と読ませるものには「慎重」「貴重」「重宝」、「じゅう」と読ませるものには「体重」「重力」「加重」などがあります。

「じゅう」と読ませる熟語は、いずれ物理的な重さに関係するものです。

「重複」は「重なる」という意味を含んでおり重さには関係がありません。そのため、本来は「ちょうふく」と読むのが正しいのです。

おいおい、重なるの意味で「じゅう」と読ませてることめっちゃ無視してるじゃねーか。

これに限らないんだけど、Web上にある日本語の解説記事(本来の読み方、本来の意味、正しい敬語等)ってかなりいい加減なものが多い印象がある。根拠もなく言い切ってて一体なぜそれが間違っているのか?ということに言及してない。そうやって誤った情報で言葉狩りがすすでしまうのは悲しい。